土台にする

前回の記事をまとめますと、

統計は基礎の部分が実は簡単
麻雀の土台にすると効果的
どんな打ち筋の雀士でも土台にできる

でした。

では次に「土台にする」とは、具体的にどういう事なのかを解説したいと思います。

麻雀の複雑さ

「テンパイからリーチに行くか否か」
麻雀について回る大きな問題ですよね。
この問題に正しく対応していくには、色々な情報を加味しなければいけません。

例えば、
何点のリーチになるか
他にリーチが入っていないか
フーロしている人はいないか
今何巡目か
待ち牌は何枚か
待ちの色は安いか
自分の河に迷彩があるか
etc

これらは場況に関する判断要素で、これだけでもかなりの量があります。
しかもこれに加えて点数状況やら順位状況まであります。

このように麻雀は、
さまざまな判断を同時に行わなくてはいけない競技であり、
そしてこれらの判断を研ぎ澄ましていくことこそが麻雀の実力向上です。

同時に考えること

何かの判断を同時に考えることには、ある重大な難点を抱えています。

それは「結果が良くなった時、それがどの判断のおかげか分からない」という点です。

例えば、
誰もまだリーチしてない
待ち牌はまだ一枚も切れていない
自分は5を切っているから待ちの2はでやすい
と考えてリーチに行ったとしましょう。

そして、結果アガったとします。
さて上のどの影響が和了に結びついたのでしょうか。

わかりませんよね?

「どの恩恵が強かったか?」だけならまだしも、
実は不利に働いた要素すらあるかもしれません。

待ち牌が一枚も切れていないという要素は、「いらないと判断した人がまだいない」と考える事もできてしまいます。
これでは正確な判断にたどりつくのが困難ですね。

これが同時判断の抱える大きな問題です。

しかも麻雀には、
「その結果がたまたま良かっただけで、実はその判断は不利だったかも」
つまり偶然性というものも付いて回ります。

「同時に判断しなければいけない要素」に加えて「偶然性」。

ただ打って経験していくだけで、これらを乗り越えて技術を身につけるには多大な労力がかかります。
それどころか不利な選択がたまたまうまくいくことが、それこそたまたま続いてしまうと、不利な技術を身につけてしまう危険すらあります。

これだけでも麻雀の上達がいかに難しいか分かりますね。

統計による解決

ここで統計の登場です。
統計はこの「同時判断」と「偶然性」という2つの問題を見事に解決します。
例をあげて説明しましょう。

「場に見えている待ち牌の枚数で大量のリーチを分別し、それぞれの和了率を測定した」
(例:4枚待ちのリーチ和了率は40%といったように)

これでどうでしょう。
複数の判断要素と偶然性は、大量のデータで平均化されています。

まさに「待ち牌の枚数」のみの影響を表していると言える事が分かります。

さらにこの方法にはもう一つのメリットがあります。
具体例を書きましょう。

待ち牌の枚数 和了率
1~4枚 のとき 40%
5~8枚 のとき 50%
9~12枚 のとき 65%
というデータを得たとします。

一方で、
待ち牌の種類 和了率
1種類 のとき 45%
2種類 のとき 50%
3種類 のとき 60%
というデータも得ました。

このデータから考察すると、
「待ちは多いほど和了しやすい」
という待ちの与える影響はもちろん分かりますが、
「待ちの良さは種類より枚数で測った方がよい」(枚数で見た方が%が大きく動いています)
という事も分かりますね?

つまり統計は、「ある要素が結果に与える影響」に加え、
「その影響の大きさ」を図ることができるのです。

これにより統計は、
「その要素が+に働くか-に働くか」
「その要素が与える±がどれくらい大きいか」
を調べることがでるということです。

実戦に生かす方法

ではこれらを踏まえて麻雀で効率的に上達する方法を記しましょう。

その方法は判断する要素を減らすことです。

始めはいろいろなことを判断しようとせず、 確実にわかることだけを判断して後は無視して打つのです。

例えを上げるなら、 「良形かどうか」「手が高いか」「追っかけか先制か」
の判断の優劣を知ったとします。

そうしたらこれらが身に付くまでは、
「良形だけど待ちの色が高い」とか「手は高いけどもっと高そうな人がいる」
といった他の情報は完全に無視して打つという事です。

こうすれば、細かい判断で混乱したせいでもっと大事な判断をミスしたりしない上に、
徐々に判断を増やしながら確実に上手くなっていくことができます。

この「確実に」という点が実は大事で、
この方法では良く言われる「引き出しが増えて下手になった」という事が起こらないのですね。

そういう状態は、
引き出しの優劣が分かっていないのに引き出しを増やした事でできる迷い
によって起こるのです。

ですが、
さまざまな判断の優劣を、大事な順番に、確実に身に着けていく方法では、
そのような迷いとは無縁です。

(判断の優劣≒その要素の影響が+か-か
 大事な順番≒要素の与える影響が大きい順番
 と言う事ができ、これが統計によって分かることを前項までで述べていました)

つまり、

自分のわかる範囲の判断だけで麻雀をする
それが完璧にできるようになったら次の判断を加える
完璧にできるまでは他の判断をしようとしない
これをある程度大事な部分まで終わらせる

これがまさに土台にするということです。

そしてこのある程度大事な部分までの判断は、
打ち筋に関わらず統計で知ることが最も効率がいい。
という事こそが第一回のコラムの趣旨でした。

ここまでわかっていただけたでしょうか?

ちなみに統計麻雀というものは、この「土台にする」という行為が全てです。
「統計を取る」ことは統計麻雀ではありませんし、このコラムはそれを進めるものではありません。

そんなのはやりたい人にやらせればよく、
「他人の取ったデータを上の方法でしっかり自分の土台にする」
これが大事です。

そしてその具体的な方法の紹介が、今後の記事のメインになります。

と紹介したところで第二回のコラムを終わります。
小難しい理屈の話はここまでで、次回からはどんどん実践的な話に入ります。


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