統計という技術

第1回のコラムですので、まずは統計というものがどういう技術であり、何を得意とし、何を苦手とするのかを、確率初心者にもわかるように簡潔に書いていこうと思います。

コンテンツ紹介でも触れましたが、この技術はとても敷居が低く、かつ役に立つ技術なので、数学なんてと敬遠しないで読んでみてください。
因数分解なんて出てきませんから(笑)

統計を用いるメリット

まずは簡単な例から行きましょう。
裏筋が危険な理由はなんですか?

答えは「245から2を切るから」です。
誰しも聞いたことがある理論ですね。

ではここで僕が新しい理論を提唱します。
序盤に2を切った場合、12、24であった可能性が減るから3は安全である

否定しようのない理論でしょう?
なのにこれは上の裏筋理論と真っ向から矛盾します。
なぜでしょうか?

その答えは単純で、
2を切った人の「両面36に刺さる危険度」は増加し、
カン3やペン3に刺さる危険度」は低下しています。
どちらも全く誤りではありません。

故に上の対立は矛盾ではなくただの検証不足。
ここまででは「全体として3の危険度は上がっているのか下がっているのかわからない」という事になります。

ここまでで僕が言いたいこと、それは
一つの事柄に対し、それを説明する理由は一つとは限らない
という事です。

数ある状況の中から245という一つの理由だけ取り出して、3は危険だという事がいかに短絡的であるか分かっていただけたでしょうか。

よって正確に「2を切っている人の3の危険度」を知るには、
245や12,24がどれくらい多く3の危険度に影響しているかを考えなければいけません。
またそれ以外の状況(例えば246)でも必要に応じて加味していかなければいけないことになります。

こういった複雑な状況判断は、麻雀の経験をかなり積まないと難しいでしょう。

ここでこんな理論を出します。
10万回のリーチについて、2切り時の3とそうでない時の3を比べたら、ロン牌になっていた確率が高いのは2を切っていない3だった。だから裏筋は安全だ
これは見事に理由説明をしていると思いませんか?

これが統計の一番のメリットです。

つまり統計は、 「たった一つの理由で正しく行動を証明するもの」であると言え、
途中の計算や思考を省いて一気に答えを出せるもの」である、
と言えます。

「なんで?」と聞かれた時「統計出したらそうだから」と答えれば立派な理由説明になるという事ですね。

統計を用いるデメリット

ここまでで統計の得意とすることが、
「一つの理由で答えを出す」
「途中式を省いて一気に答えを出す」
ことであることは分かっていただけたと思います。
なので次は不得意とすることをしっかり明記します。

2を序盤に切ってはいるんだけど、今回リーチ宣言牌は4。3はどうなの?」 こんな質問が来ました。
確かに24が無いと言っていた部分が変わることで結果は覆りそうです。

この問いに対して、経験やら計算やらで3の危険度を考えられる人(上の12,24,246を含めた判断ができる人)はおそらく答えを導けるでしょう。
上の例と同じように4を持っていたことを加味すればいいだけです。

しかし統計を使って答えを出している場合は、途中式がありません
なので4を持っていたことは分かっても、
肝心の4を持っていることがどの程度答えに影響していたか分からないのですね。
これでは加味しようが無いので、この問題に統計では答えられないという事になります。

これが統計の弱点。
つまり「統計は応用が効かない」のです。
統計によって示された技術は、状況変化に対応することはできません。

統計技術の使い方

最後にここまでの議論から統計を麻雀に生かす最適な方法を記しましょう。

ここまでをまとめると、
統計は全体として間違ったことは言わないが、
個々の状況それぞれに答えを出すまでは至らない、

という事でした。

ここから統計の利用方法を述べるなら、
ズバリ打牌の土台にするのが得策です。

基本の打牌は統計的に正しい方で打ち、統計が応用の利かなくなる場面で自分なりの工夫をするのです。

これならば土台部分で誤った選択をすることが無くなりますし、応用の利かなくなっている部分を自分色で補って、自分なりの強さを追い求めることもできます。

たとえば、
通常は○だがここは◆と読めるから、×にしよう。
通常は○だが今は流れがいいから、×にしよう。
通常は○だが□という状況も考慮して、×にしよう。
といった感じでしょうか。

上から世に読み派、オカルト派、デジタル派と言われている雀士ですが、それぞれ「通常の打牌○」は統計的正解に頼ることが可能で、かつ強者はこれができています。

例えばオカルト強者も、通常打牌はむしろ僕より正確に統計的正着打を打っています。
(その情報を統計から得たかどうかは別として)
ちなみに僕はこの応用部分も数学で補っています。
その方法はカテゴリ「理論計算技術」に書いていく予定です。

このように、統計を土台において応用で自分色を出すことが統計の最もいい使い方と思います。
別に僕ほど数学的に麻雀をやれと言っているのではありません。
ある程度うまくなるまでは不正解を選ばない統計を土台にしてみましょうということです。

とりあえず中級者を卒業するまでは統計的打牌を学んでみることがそのまま勝ちに繋がるのではないでしょうか。


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