シャンテンの成功率計算














西は役牌ではありません。
何を切るのが最も和了率が高いでしょう?
ある程度うまくなってくれば、両面ターツを一つ落とすのが早いというのは知っている人が多いと思います。
では本当にそうか?これを計算してみます。
A:縦フォロー落とし(ターツオーバーに受ける)
B:両面落とし
と置きます。
*Aには「一向になったあと完全形になる」
Bには「二向時で一向時の完全形を確定させる」
それぞれ縦引きの手変わりがありますが、
片方が一方的に有利となる情報ではないためとりあえず無視します。
まずここで、
A 二向受け32枚 一向受け16枚より
32/136×16/136
B 二向受け16枚からは一向受け20枚
二向受け12枚からは一向受け16枚より
16/136×20/136 + 12/136×16/136
これが512/136^2で一致するため、
スピードは同等なのではないか?
この考え方に触れておきましょう。
よく見る計算法なので、これを念頭に置いて以下の文を読むと理解が深まると思います。
確かに確率の掛け算になっているし妥当なようにも見えますが、
実はこれは誤りです。
厳密に確率計算をする場合、
成功率×成功率
の計算ではいけません。
なぜならこの成功率というのは1巡あたりの成功率であるからで、
これだとあと2巡で聴牌する確率になっています。
ちなみに2巡でのテンパイ率ならこの計算通り一致します。
かといって、これを○巡目まで出していくといつかは聴牌するわけですから、
どんな受けでも計算結果は100%になってしまいます。
消費巡目での考察
でどうするかと言うと、スピードをみるわけです。
今回の事象の「失敗」は他家の和了や聴牌、流局等、
巡目によって増えていく危険のみによって生まれます。
つまり早ければ早いほど成功率は上がる訳です。
よってシャンテン成功率は消費巡目と単調相関しますから、
シャンテン成功率は「成功までの平均消費巡目」で評価できることになります。
でこれを計算すると、
確率pの事象が1回成功するまでにかかる試行回数の平均は
Σ p(k+1)(1-p)^k
で求まることになり、
等比数列の和で簡単に分解でき結果は1/pとなります。
Σが出てきてちょっと敬遠した人もいるかもしれませんが、公式は簡単ですね。
サイコロを6が出るまで振るとき、
振った回数の平均は、1/6の逆数で6回になるという、非常に簡単で覚えやすい公式です。
またこの式が逆数であるため「消費巡目と受け入れに比例関係が成り立っていない」点も重要な要素です。
つまり1種増やした時の効果が常に等しくならないということになります。
たとえば3種から4種にすることは2.8巡縮める効果を持ちますが、
4種から5種にすることは1.7巡縮める効果しかありません。
受け入れと消費巡目の表は
受け入れ枚数 : 平均消費巡目
1 : 34.000
2 : 17.000
3 : 11.333
4 : 8.500
5 : 6.800
6 : 5.667
7 : 4.857
8 : 4.250
9 : 3.778
10 : 3.400
11 : 3.091
12 : 2.833
このようになり、受けが少ないほど受け入れ1種の効果が大きくなります。
今回の計算はこの式を1向、2向で2度使うので、
2つの事象が成功するまでの試行回数それぞれは独立だから、
一向の成功率をp、二向の成功率をqとおくと、
1/p+1/q
が成功率を評価する式になります。
今回の場合をみると、
A(二向を強く)
136/32+136/16
B(一向を強く)
136/28+(16×136/20+12×136/16)/(16+12)
{後者は16枚からの136/20と12枚からの136/16の平均値}
計算すると12.75 vs 12.39
でBの一向強化が強いことがわかります。
これほど良形同士の比較でも1/3順も違うのは大きいですね。
問題の一般化
この問題は、牌姿ごとにわざわざ計算しなくとも一般化できます。
受けの枚数を同等とすると、
p+q=k (kは定数) とおけ、
このとき成功率の評価式Xは
X=1/p+1/q
=1/p+1/(k-p)
=k/p(k-p)
p(k-p)はご存知上に凸となる二次関数ですから、
p=k/2で最大値を取り、両側に単調減少していきます。
p=k/2ならばp=q
よってpとqの差が小さいほどXは小さく、つまり早く張れることになり、
受けの枚数の総和が等しいとき、
一向聴と二向聴の受けの枚数の差が小さいほど聴牌率は上がる
が導けます。
「確率の小さい方を助けましょう」というのはここからきていますね。
これがわかっていれば上記の計算は必要ありません。
一般的に一向聴の受けを最大にせよというのはこの式によって証明できます。
シャンテン内で成功率が変わる場合
最後に無視していたシャンテン内での手変わり
(


に
をツモるといった変化)
の考察に関してです。
この場合は単純な平均受け入れ枚数の逆数をとる方法はできませんので再び計算で求めます。
求める期待値をxと置くと、
1巡ツモを行ったうえでの期待値は、
手変わりも聴牌もしなかった場合ははずした一回に期待値を足して x+1巡
手変わりした場合は手変わり後の平均聴牌巡目にはずした1回を足した値
聴牌した場合は1回
それぞれの合計となるので、
元の成功率がp、
手変わりする確率がq,r
(手変わりが一つしかない場合はrの項はなくせばよく、逆に増やす場合も同じ形で増やせばよい)
手変わり後の成功率がQ,Rならば、
x=(1-p-q-r)(x+1)+p*1+q*(1/Q+1)+r(1/R+1)
これを解くと、その手の向聴が進むまでの平均消費巡目は
(p * 1/p + q * 1/Q + r * 1/R) / (p+q+r)
すなわち、
「それぞれの変化での平均消費巡目の、それぞれの変化する確率での単純な平均で与えられる」
ことがわかります。
これもまた元のΣ式が複雑な割りに非常なきれいな式になりますね。
※ちなみに元のΣ式は
lim(n→∞)
{
Σ(i: 2→n)Σ(j: 1→n-1)
{(1-p-q)^(j-1) * (1-Q)^ (i-j-1) *qQi}
+
Σ(i: i→n)(1-p-q)^(i-1)*pi
}
これになります。(p,qのみの式)
これがあの綺麗な式に展開できるというのは非常に面白い結果です。
この計算式を使えば手変わりがある場合の計算もできるようになるため、
これを合わせてこの記事内の計算それぞれを用いれば、
フーロがない場合の牌姿のスピードを完全に算出できることになります。
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コメント一覧
16と20で平均取るんじゃなくて、
1/16と1/20で平均とるので
B=1/{(16×1/20+12×1/16)/(16+12)}
でしたね。
これだと計算結果は変形して(16+12)*20*16/(20*12+16*16)となって我打さんの式と一緒になります。
修正しておきますね。
ありがとうございました!
ちなみに完全に一致することからわかるように僕の用いた方法は近似じゃないです。
二向を幾何分布(確率変数X)、一向を幾何分布(確率変数Y)ととれる為、
期待値の線形性より
E[X+Y]=E[X]+E[Y]
を用いています。
我打さんの式がE[X+Y]を求める式で、僕の式がE[Y]を求める式ですね。
独立な事象に関してのみ期待値の和をとることができますが、適切な平均を取る必要があり、計算してみたら値が違ったので何か近似をしているのかと思ってしまいました。
一見自明なところに誤りが隠されているものですね。
なお、上記コメントを読んで数学アレルギーを発症された方にはお詫びを申し上げます。
より数式満載のコラムを準備しておりますので、ご期待ください (WebMaster様: 掲載にあたりフォームより質問を送信させていただきます)。
計算は(12+16)でちゃんとやってたので結果はそう変わらなかったですね。
コラム楽しみにしてます~
光栄です楽しみにしてます。
質問への回答も送っておきます!
わからんというか、読む気がしない…w
文系の私に数式は向いてないですねw
で、結論としては、「どこかの両面ターツをはずす」ことが速いということでよろしいのでしょうか?
鳴きも視野に入れると1番早そうに思えるのですが…
フーロは使えるといっても面前のスピードを大きく落とす結果になるので、
リーチの押さえつけまで考慮すれば和了率も高くはならないです。
この辺の話は難しくなるので途中式等はあげられませんが。
これに限らず、字牌の対子落としでタンヤオに行く機会はほとんどないということを覚えておくといいと思います。
牌全部は(9×3+7)×4=136ですよね?
この2枚の差はドラ表示(表と裏)でいいですか?www
それとも別の何かから持ってきた数字なのですか?



