計算の心得

このカテゴリーには、実際に麻雀を計算で考察していく技術を上げていきます。

ですがその前に確認しておかなければいけないことがありますので、本記事ではそのことについて述べてきます。

計算を行う際、最も注意しなければいけないことは、
「その計算で本当に正しいのかどうか?」
という点です。

例を挙げましょう。

「待ち牌枚数が2倍になると和了率が2倍になる。」

一見もっともらしく聞こえますがこれは誤りです。

例えば、両面とカンチャンは大体60%と40%でおよそ1.5倍しか和了率が変わりません。

このように、2倍なら2倍という単純な計算ですら計算として誤っている場合が多くあります。

特に、一見もっともらしい理論だと、合っている気がして無思考に計算してしまいがちになるので、自分で計算してみる場合は常にこれを意識しておく必要があります。

計算が成り立たない例

実際に、簡潔な計算が成り立たない例を挙げていきます。

(1)足し算、引き算

「3%を3回やって成功する確率は9%」

成り立ちません。確率は足し算引き算ができません。
もしできたらコイントスで2回投げれば50+50で必ず表が出てしまうことになりますからね。

なぜこの計算が成り立たないかと言うと、重複があるからです。
重複を引いてあげればちゃんと答えになります。
(コインが二回とも表になる25%を100から引けば答えである75%となる)

ちなみに、両面とカンチャンに2倍差ができない最も大きな理由がこれです。
ツモ山にちょうど2倍いてくれたとしても、2枚いても2和了にならないですからね。

(2)掛け算、割り算

これらの計算を無条件に使っていい関係のことを「比例関係」といいます。
「りんご1個200円なら3個で600円」と言う関係ですね。

非常に簡潔な関係ですが、実際にこれが成り立つことはめったにありません。
子供のおつかいレベルの上記の問題ですら、50円の袋に入れればそれでアウトです。

待ち枚数」と「和了率
打点」と「期待値
得た点棒」と「得た順位
等は全く比例していません。

比例が成り立つ例はかなり少数なので、
むしろ計算に断りなく比例を使ってたら怪しいとみていいです。

過去麻雀界で用いられていた
期待値=待ちの枚数×打点
などもってのほかです。

また、違う要素同士で勝手に計算してもいけません。

「和了率が2倍で、打点が1/2だと同価値の手」

と言った考え方にはならないです。
別要素であるため掛けて1には出来ません。

(3)平均

これは相当厄介なので注意してください。
平均を取ることが正しい計算であるには、

「各要素が均等に表れる」という条件が必要です。

例を上げると、

 

この手の平均打点は(1000+2000+1000)/3ではありません。
147mの出やすさの違いから差が生まれます。

この場合はそれぞれが出る確率が40% 25% 35% だとしたら、

(40*1000 + 25*2000 + 35*1000)/100

と言う計算をしなくてはいけません。

この問題がもっとも頻出となる計算は「平均の平均をとる」時です。
集団Aの平均と集団Bの平均を足して2で割っても合わせた集団の平均とはなりません。

分かりやすいよう例を上げると、

平均170cmの日本人と平均180cmのバチカン市国民から平均をとる場合、175cmにはなりませんよね。
人数が違いすぎて、計算結果は限りなく170に近くなります。

実際にする計算は 

(日本人口×日本平均身長 + バチカン人口×バチカン平均身長)÷(両国人口)

となります。

この例のように明らかに人数が違うとわかるものですが、
人数があまり違わないとなんとなく平均を用いてしまうので注意してください。

正確な計算

上記のように、単純な計算では正しい計算ができないことがわかりました。

ではどうすれば正しい計算ができるかと言うと、それがそう簡単には行きません。

「確率に足し算を使うな」「勝手に比例させるな」などのミスは、意識すればなくすことは容易です。

しかし、例えば平均打点にしても、
面前ならどの程度裏が乗るか、一発がどの程度つくか
まで計算する必要が出ます。

さらに他家の攻めてくる可能性を点差から算出して一発率を考え始めると、正確に求めるのは至難になります。

このように麻雀のような要素の多い複雑な計算となると、
実際に算出、検証してみないとわからないことが多く、
最初から正しい計算をしていくのが難しくなります。

このことから数値的な検証の際に重要となるのは、

「どのような式でどのように求め、どのような要素を考慮していないか」

を明示し、その式がどの程度あっているかを考えることです。

「どの程度まで近似したか、あとどんな部分を計算する必要があるのか」
を明示することで、読み手の意見や算出中の気付きなどから、
正しい計算に近付けて行こうとすることが重要となります。

そしてこの考えは読み手にも必要になります。

麻雀の議論においてある理論が計算された時、
「この部分が考慮されていないからこの理論は正しくない」
といった旨の意見をよく見かけます。

しかし、上記のような理由から「正しい」「正しくない」と評価を2極化させるのは建設的では無く、「どの程度正しいか」を考えるべきです。

考慮されていない部分でどの程度ズレが生じそうか、
逆にどの程度なら正しいと言える範疇になっているか、
を読み手も考えるべきと言うことですね。

「なるべく正しくなるよう計算すること」と「どの程度正しいかを考察すること」は、
建設的な議論をする上ではセットで重要となることですので、意識して議論に臨みましょう。


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