手作りのシステム化を目指す
今回から、平場における手作り、即ち、目的=局収支期待値の最大化、押し引き判断=押しの場合の打牌選択について考察に入ります。目標は、どのような手牌が与えられても、他に条件がなければ打○のように一定の回答を、簡潔かつ高い精度で求められるようなシステムを作ることです。
手牌のパターン分け
打牌選択をシステム化する為には、まず手牌を一定のパターンに分ける必要があります。ここでは、面子の数、雀頭の有無、搭子の数で分け、そのパターン毎に打牌基準を解説していくという方針で進めていこうと思います。今後、例えば面子が1つで雀頭が無く、搭子が3つある手牌を103型、そのうち複合搭子が1つあるような手牌であれば103-1型のように表記します(複数のパターンに分けられる場合は、シャンテン数が最少になるように、シャンテン数が変わらなければ雀頭より面子、搭子より雀頭を優先して数えたものとする)。七対子や国士無双について考慮する必要がある場合はその都度言及します。
打牌比較の手順
打牌選択をするうえで、比較の対象となる要素は様々なものがありますが、多くの場合は、期待値に影響を与えやすい要素だけを比べれば事足ります。よって、期待値により影響を与えやすい要素から比較していくことが、スムーズかつ精度の高い打牌選択に繋がります。
具体的な手順については以下の通りです。途中でこれ以上は比較しなくても打○が有利と判断できればそこで比較を打ち切ります。1~4の理由については、これまでの手作りの内容も合わせてご参照下さい。
1:変化(シャンテン数が減らない有効牌)より先に受け入れ(シャンテン数が減る有効牌)について考える
何度も述べたことですが、打牌比較のうえで最も重要な考え方です。受け入れと変化は明確に区別するようにしましょう。
2:目先の受け入れより将来の受け入れ、高打点になる受け入れを優先する(但し、跳満以上を狙って満貫手の受け入れを減らしたり、多メン待ちを狙って両面聴牌になる受け入れを減らすことは避ける)
現代麻雀=スピード重視という観念から、ひたすら目先の受け入れ枚数だけを重視したり、変化を経由しなくても見れる高打点の手を軽視する打ち方もよく見受けられます。スピード重視というのは、あくまで変化よりは受け入れという意味であり、同じ受け入れ同士であれば、より価値の高い手牌になるような強い受け入れが多くなるような選択を優先すべきです。逆に、強い受け入れが増えるわけでもないのに、嬉しくないからという理由で弱い受け入れを拒否したり、最高形を逃すのは痛いからという理由で、強い受け入れ以上に弱い受け入れが多くなってしまうような選択もやはり損です。
また、満貫より更に打点を上げようとしても1翻高くなることにより打点上昇率が低く、両面より更にアガリ牌の枚数を増やそうとしても和了率の上昇率が低いことから、満貫以上、良形以上が確定している手牌については、受け入れを狭めてまで跳満以上、多メン待ちを狙うことは損になりやすく、強い受け入れ優先の例外になります。
3:守備力より先に変化について考える
原則として受け入れを狭めてまで安牌を持つことはしませんが、変化よりは守備力を優先することはよくあります。然し、明確に残すべき変化を見落とさないようにする為、守備力より先に変化について考えます。
気を付けることは、例えば浮き牌の2mを持っているところに3mを引けば両面ができますが、既に良形以上が確定していれば結局両面を切ることになり不要になる(搭子選択ができるメリットはありますが、2mを持つ価値が大きく落ちるのは事実)ように、変化に関しては部分的には有効牌でも、手牌全体で見た場合には有効牌ではなくなる場合がある為、変化の為に残す牌と守備的に残す牌、あるいは変化の為に残す牌同士の優劣が変わることもあるということです。
4:変化についても受け入れ同様、一手先の変化から考え、変化同士ではより強い変化を優先する(跳満以上、多メン待ちへの変化についても同様)
スムーズな打牌選択の為には、数手先の構想を描けるようにしておくことも必要ではありますが、打牌比較に関して言えば、一手先の変化まで認識していれば殆どの場合事足ります。何手も先にある手変わりの存在が期待値に与える影響は微々たるものです(勿論、他に優劣に差がなければ考慮することになります)。変化についても受け入れ同様、有効牌の量よりも、変化した時の強さという質に重点を置いた選択の方が、期待値の高い選択になることが多くなります。
5:河の強さより先に守備力を考える
河の強さとは、他家からみた場合の待ちの特定しにくさとも言い換えられます。昔は、44599m北と持っているところから打4mとして3-6m待ちを読まれにくくする“迷彩”と呼ばれる戦術が流行ったこともありますが、現在では基本的には損な選択であることが判っています。但し、例えば4599m4s北とあって、良形以上が確定しているので北を残して打4sとすると、4sを含む搭子を持っていないのでその周りの牌で待っている可能性は低いと読まれるデメリットもあります。とはいえ、将来放銃する可能性の高い牌を抱えていると、それだけ和了率を下げることにも繋がるので、基本は守備力を重視すべきです。守備力に差がない場合、あるいは守備力がそれほど重要でない場合や、少しでも出アガリの可能性を高めたい手牌、局面の場合は河の強さも考慮することになります。
6:裏ドラの乗りやすさより先に河の強さを考える
例えば19mとあったら、9mを1枚自分で使っている分、1mの方が裏ドラになる確率が低いと言えます。9mが手牌に残っているうちに他家から9m待ちのリーチがかかって放銃することよりは、9mを手の内で使ったうえでリーチして和了する確率の方が高いでしょうから。他に差がなければ裏ドラが乗りやすい牌を残すことになります。とはいえ、期待値に与える影響はやはり微々たるものなので、1234mとあって1mか4mを切ってリーチする場合は、裏ドラの乗りやすさで4mを切るよりは、待ちが特定されにくい1mを切ってリーチする方がよいとみます(3456m程度なら6m切りリーチでよい)。勿論、オーラス裏1で逆転できるといった場合は裏が乗りやすいように受けます。
まとめると、受け入れ→受け入れ同士の強さ→変化→変化同士の強さ→守備力→河の強さ→裏ドラの乗りやすさの順に比較していくことになります。次回からは上に挙げたようなパターン毎に、この比較手順を用いて打牌基準を解説していきます。
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