選択の手順

運転の手順は、「認知」「判断」「操作」の3つの要素からなる。
自動車学校で一番最初に習うことですが、麻雀の打牌選択についても(そもそもあらゆる行為で成り立ちそうですが)これと同じことが言えます。

「認知」とは情報を把握すること。

麻雀における情報には、公開情報(手牌、局数、風(何家であるか)、持ち点、巡目、河、ドラ、供託、他家の表情や仕草や言質)と、非公開情報(他家の手牌、山牌、他家の打ち筋や心理)があります。

公開情報を元に非公開情報を推測するのが「読み」であり、これも認知の一種と言えます。

読み自体はオカルトではありませんが、不確定要素、即ち「抽選」の影響が必ず入ることは忘れてはなりません。
そのことを無視した「読み」はまさにオカルトです。

認知した情報を基にどう選択するのが最善か。
これが「判断」の領域です。
どう選択するかを決定するのが判断基準であり、これが麻雀講座で学ぶことです。

判断の通りに実際に牌を切ったり鳴いたりするのが、「操作」であることは言うまでもないでしょう。

事故とミス

麻雀で「交通事故」と言うと、回避不可能なものの意味で使われがちですが、交通事故の殆んどは何らかのミスが原因で起きるものです。麻雀もミスが失点に繋がります。
ミスを防ぐ為には、実際にミスをした時にそれがどの段階で、何が原因で起こしてしまったのかを分析し、フィードバックしていくことが大切です。

例えば押すべき手でないのに危険牌を切ってしまった場合、
危険であることを見落として切ったのなら認知のミス
この手牌なら勝負してよいと思って切ったのなら判断のミス
降りるつもりだったが時間切れでツモ切りになってしまったのなら操作のミスということになります。

ところで、運転で事故の原因になるミスの大半は認知の段階で起こると言われます。

何故なら、判断や操作については、習得することも容易で、慣れればそうそうミスすることは無くなる一方、どんなに運転が上手い人でも不注意で安全確認が疎かになることはあり得るからです。
だから運転は、認知が最も重要と言われます。

判断が最も重要になるのは、将棋のようなゲームが挙げられます。
盤面がどうなっているかを認知したり、駒を動かすことは誰でもできることですが、正しい判断を下すことは非常に難しく、はっきり実力差がつくところであるわけです。

(逆に言えば、初心者が勝つとすれば、実力者が認知や操作の段階でうっかりミスをした場合であるとも言えます。プロでも二歩を打つことはあるし、羽生名人がネット将棋でクリックミスをして時間切れ負けになった話もあります。)

操作が最も重要になるのはスポーツが挙げられます。
特に身体能力の差が実力差にそのまま直結するものであれば尚更です。

実戦と認知能力

麻雀もまた将棋のような知的ゲームである以上、判断が最も重要であることは疑うべくもありません。

判断基準については、今ではネット上でどこよりも優れた内容を学ぶことができると私は確信しています…ですが、とある打ち手が初心者のうちからネットの優秀な戦術論を読み込み、そこに書かれてある技術を一通り習得したとしても、それだけで某20年間無敗の男よりも強くなったと言えないでしょう。

何故なら麻雀においては、的確な判断を下す為に、基準とすべき情報を正しく素早く認知することも案外難しく、とりわけ不確定要素が関わってくる判断については、基準自体がまだまだ不十分だからです。
また、細かい内容になると基準に少しずれがあったとしても戦績にさほど影響しないのもあります。

現代麻雀の視点からすれば疑問手も多い打ち手でも強豪と呼べるだけの結果を残している打ち手が少なからずいるのは、勘が鋭いからと言われることもありますが、これは勘というよりは、認知能力に長けているからと私は考えています。

ですから、理論を学ぶことも重要ですが、実戦で認知能力を磨くこともまた重要です。
とりわけ現麻で勉強しているけど伸び悩んでいる(天鳳なら特上でトントン~負け越し程度)人については、まずそちらを優先することをお勧めします。

運転の際に大事なことが、遠くを見て視野を広く保つことであるように、麻雀もまた視野を広く保ち、自分の手牌ばかりに気をとられず、他家の動向に目が向くように心掛けましょう。


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