絞りの定義
今回は絞りについて解説していきます。ここでは絞りを、「自分にとって不要な牌を、他家ノーテンに対し鳴かれない為に切らない」 ことと定義します。
絞りの手順
押し引き判断の手順と同様、絞りについても、まずは絞るべきかどうかの判断があり、絞るべきと判断したら、次は回し打ちの余地があるかそうかを判断し、あるなら回し打ち、ない、もしくは不要であれば将来の他家の聴牌にも備えつつベタ降りする ことになります。よって、絞りの手順については、回し打ち、ベタ降りの手順を適用すれば結構です。一つだけ注意すべきことは、ベタ降りの場合と異なり、絞る対象の他家の現物であっても、鳴かれないとは限らない ということです。例えば1289mとあって打1mとした後に3mを引けば89mを落とすのがセオリーなので、この場合は1mが鳴かれる可能性もあります。よって、同じ現物同士なら、字牌やノーチャンスといったチーされ得ない牌(他家の回し打ちの手順によっては一度切った牌をポンされることも有り得るので、2枚以上見えている牌があればそちらを優先)や、ターツやメンツごと落としている牌を優先して切る ことになります。既に降りている場合に、ノーテン罰符による支出や親の連荘を防ぐ為に絞る場合ついてはこれだけ押さえていれば十分でしょう。
絞りより、「鳴かれないうちに切る」が基本
鳴かれることによって鳴いた他家の和了率は上がり(特に役牌ポンといった役を確定させる仕掛け)、その分自分の和了率は下がるので、鳴かれること自体は和了に向かううえでは損なことです(牌理上差がないなら鳴かれにくい牌を切る方がよい)。然し、巡目が進むにつれ、特定の牌が鳴かれる、あるいはロンされる確率が高くなるので、自分が使わない牌同士であれば、 絞るのではなく、将来鳴かれやすく、鳴かれることによる損失が大きい牌を先に切る のが原則です。よって、絞りが有効になるのは、少なくとも、 現時点で鳴かれる可能性が十分に高い、あるいはこれ以上鳴かれる確率があまり上がらないと読める場合です。
役牌に限定すれば、 前者はクイタン以外の食い仕掛けが入った場合、後者は、生牌の孤立役牌を切った他家が手出しで数牌を切った場合(ドラや連風牌でないなら、他の役牌を持っているとするならトイツ以上と読める) 他の牌についても、面子候補十分と読める食い仕掛け が入ったら同様に考えればいいでしょう。
絞りの判断
然し、鳴かれやすい牌であっても、絞りが有利になるとは限りません。何故なら、絞る対象の和了率を下げることは、相対的に残りの二人の和了率を上げる ことになり、巡目が十分に残っていれば、他家一人に対して絞ったところで流局率はさほど変わらないからです。(逆に言えば、流局間際や、残りの二人が降りていると読める場合は、自手のアガリが厳しい場合は絞るべき)よって、どのようなケースであれば絞りが有効になるのかは、アシストの時と同様に、「絞り対象の和了」「他家和了」「自家和了」。 この3つの要素を考慮して判断することになります。自家和了の可能性が低い場合ほど判断が容易なので、まずは自分の手がアガリに遠い場合から考察していきます。
・自手がアガリに遠い場合
絞り対象の手が安手だとしたら、むしろあがってもらう為にアシストした方が収支面で有利になります。 絞り対象の手が高打点、子であれば満貫、親であれば5800以上 が濃厚と読める手であれば、絞った為に他家の手が間に合ってアガリという結果になって収支で損をするケースは少ないので、絞りが有効になると言えます。
・自手のアガリがまずまず見込める場合 アガリがまずまず見込める手であるが手の内には鳴かれやすい不要牌があり、鳴かれると高打点の聴牌を入れられる可能性が高い、一方、絞ると受け入れが狭くなってしまう。このような場合はどうすべきでしょうか。従来は、鳴かれても勝負になる手なら切るとよく言われていましたが、鳴かれるかどうかは不確定である以上、鳴かれることを前提に判断すればどうしても引きすぎになります。一方、鳴かれた後、有効牌を引いて手が進んだところで押すのが不利になるようであれば、そもそも最初から鳴かれやすい牌を打つのが損と言えます。よって、 鳴かれても、即ツモってくれば勝負になる有効牌が十分にある というのが、切るべきかどうかの目安となります。 絞っても受け入れが狭くならない場合 はどうでしょうか。放銃だけは避ければよい局面でないのなら、この場合は基本的に絞るべき です。巡目が進んで絞った牌が当たり牌になったうえに、自分の手が進んで当たり牌が出ていくケースはそう多いわけではなく、一方、鳴かれて先制聴牌を入れてしまえば、自分の和了率は明確に下がってしまうからです。
・受けを狭めても絞りたいケース
古い格言で、「自分の手が悪い時ほど絞る」というのがありますが、先述した通り、自分の手がアガリに遠くても、仕掛けた他家が安手なら絞ることで却って不利になることもあります。自分の手の和了率を落としたくないという理由で絞るのは、むしろ自分の手がアガリに近く、高打点が狙える場合です。とは言っても、絞ることで受けが狭まってアガリ率が大きく落ちるようではただ損なだけです。よって、絞りが最も有効になるのは、 まずまずアガリが見込めるが先制聴牌が取れるほどは早くなく、高打点が狙える場合 です。中盤過ぎで2267m1157p34567s中 のような手であれば、ターツオーバーの2シャンテンなのでここから受けを減らしてもアガリ率はさほど落ちず、メンゼンでメンタンピン三色赤の高打点が狙えるので、一旦中は絞って打1pとするのがよいとみます。
着順を考慮する局面であれば、絞る機会も増える
これまでは平場の場合でしたが、平場でない局面。つまり着順を考慮する局面であれば、打点関係なく和了を阻止したい他家がいる(ダントツで放銃と親の連荘だけ避けたい場合)。放銃するリスクを上げても鳴かれて和了率が落ちるのは避けたい(他家と大きく離されたラス親である場合) といったケースが出てくるので、絞る機会も増えると言えます。このような場合も、これまで挙げたような絞りの判断、手順を適用していただければ結構です。 「攻めるなら絞ることは考えず真っ直ぐ攻めるべき」「鳴かれてから降りるかどうか考えればいい」というのが現代麻雀の主流です。然しこれはあくまで一般論であり、それが成立しない局面も多々あります。絞りはアシストと異なり、能動的に結果に影響を与えられないので有用性は低いですが、アシスト同様、自分の和了、放銃以外についても自分が有利な結果になりやすくする為の技術として押さえていただければ幸いです。
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