現物が無い場合のベタ降り
前回は、確実に通ると分かっている牌を切る場合のベタ降りの手順について解説しました。今回は、そのような牌が無い場合のベタ降りの手順における、最も重要で基礎となる内容についてまとめたいと思います。
リャンメン待ちに当たらない牌のうち、牌の組み合わせから待ちになりにくい牌から順に切っていく
現物が無い場合でも、なるべく放銃時の失点を抑えられるように安全度の高い牌から、危険度が同程度の牌同士では、前回述べたような手順に従って切るという原則は変わりません。現物が無ければ、字牌、スジ、ノーチャンス
といったリャンメン待ちには当たらない牌を手牌から探します。これらの牌同士では、原則として牌の組み合わせから当たりになるパターンが少ないものほど安全になる
ことが言えます。字牌同士なら生牌より1枚切れ、1枚切れより2枚切れの方が安全ですし、スジならペンチャンに当たる37より28、28よりシャボか単騎にしか当たらない19の方が安全というわけです。(1と7が両方切れている4といった中スジについては、スジ28より安全(出現率が低いので)、スジ19よりはやや危険(カンチャンで当たるので))同じスジでも関連牌が多く見えているほど牌の組み合わせが減りより安全になると言えます。 字牌やスジは分かりやすいですが、ノーチャンス、特に、「4が4枚見えていて9が通っている場合の6」といった、4枚見えの内側が安全になるケースは見落としがちです。実戦で4枚見えた牌については特にチェックしておくことをお勧めします。
また、赤が各色に1枚ずつ入っているルールでは、聴牌以前に赤5を切っている他家は同じ色の5は持っていないと読むことができるので、5が4枚見えている場合と同様に3や7が(1が通っているなら4、9が通っているなら6も)ノーチャンスになります。
しかもカンチャンやシャボにも基本当たらない(245、335とあればそれぞれ2、3を切るから)ので単に4枚見えている場合より安全です。(1が通っている場合の4はペンチャンもないので更に安全) 但し、打点十分な場合やアガリ率重視の場合は赤ドラの方を切ってくる場合もあることには注意が必要です。
リャンメン待ちに当たらない牌が無い場合
リャンメン待ちに当たらない牌が無い場合でも、リャンメン待ちに当たりにくい牌を切るのが原則です。リャンメンに当たるパターンが2通りある無スジ456よりは、他の無筋や片スジ456を先に切るべきです。
これらの中で比較的安全といえるのが、ワンチャンスと序盤に捨てられた牌(巡目が早いほど安全)の外側
です。どちらもスジほど安全にはならない(但し、6と7が共に3枚見えている場合の8といった、ダブルでワンチャンスになっている場合は通常のスジより安全)ですが、他に安全牌が無い場合はこれらを切ることになります。
通常の無スジより比較的安全と言える牌も無い場合
上に挙げたような牌さえなく、しかも攻めるにはかなり分が悪い手牌(ほぼ愚形のみ手になる1シャンテンや2シャンテン以下)
なので降りたい場合は、同程度に危険な牌の中で、「1つ通れば他の牌も通る」
ような切り方をして安全牌を水増しするのが得策です。アンコ落し(3巡凌げるのでトイツ落としよりよい)やトイツ落し、7が切れているリーチに対して1→4と切っていく(4が通るとは限らないのでトイツ落しに劣る)
のがその例です。自分で多く使っている牌は特に危険と言われますが、無スジ同士ならそこまで危険度には差はないので、危険牌を2枚通すより、1枚通して安牌を水増しする選択の方が良いというわけです。
基礎的な技術を身につけたうえでの、「読み」は必要
今回の内容は「科学する麻雀」でも取り上げらているような、「単純な牌の組み合わせ」に重点を置いた、安牌読みとしては最も基礎的な内容です。一方、昔からの戦術書等で言われていた「読み」は、打ち手の意思や状況に重点を置いた読みが主流でした。言い換えれば、前者は、「抽選」を基にした読み、後者は、「選択」を基にした読みと言えます。 従来言われてきたような「読み」に誤った内容が数多く見受けられたこと、仮に正しいとしても実戦で役に立つ機会が少ないものが多かったのは、麻雀の「選択」の部分を重視するあまり、「抽選」の部分をないがしろにしてしまっていた為です。事実、手作りにおいては打ち手の意思という「選択」よりも、統計的なメンツのできやすさという「抽選」の方が遥かに影響を与えるのです。(長期の戦績で見た場合、打ち手によってアガリ役の出現率がそこまで大きく変化しないことからもこのことが言える) 然し、だからといって「選択」の要素を無視することはできません。特に食い仕掛けのように出来るメンツをある程度コントロールできる場合や、河から明確に打ち手の意思が読み取れる場合は、単純な牌の組み合わせでは対処できないことも増えます。
麻雀は「抽選」と「選択」のゲーム。
更なるステップアップの為には、「抽選」「選択」双方の視点を考慮に入れた適切な読みと、それに基づいた精確な押し引き判断が必要になります。それについては後日、「読み」のカテゴリーにおいて解説していこうと思います。
|
ベタ降りの手順 |
打牌選択(手作り以外) |
安牌残し |



